ES向上システムの具体策
前回のブログでES向上システムを確立させることが税理士事務所の
人材採用において重要であり、ひいては確立したES向上システムを
採用サイトや採用ページに掲載することで良い人材の応募が見込める
ことを述べました。
今回はES向上システムの具体策を述べてまいります。
福利厚生の充実
ES向上システムの最たる例が福利厚生の充実です。
法定福利厚生、法定外福利厚生ともに今では当たり前のようにどの事務所の
採用サイトにも掲載されています。
社会保険については言わずもがなだと思いますので、法定外福利厚生で
ユニークなものを挙げていくと・・・
・ドリンク飲み放題
・生産性向上のための昼寝制度
・朝ごはんの無料提供(特定の曜日のみ)
・パワーブレックファースト(朝食勉強会)
・社内交流会(交流があまりない職員との飲み会費用の援助)
このような取り組みをしている税理士事務所や企業があります。
ドリンク飲み放題でいうと、最近ではよく目にするようになったウォーター
サーバーやコーヒーサーバーの設置がそれにあたります。
実際に弊社でもネスカフェのマシンを設置しています。
これがなかなか優れものでして(笑)
コーヒー一杯で、気分の切り替えが出来るので、私自身、毎日15時くらいに
必ず飲んでます。
上で挙げた他の福利厚生の共通点としては「勉強や学習」「生産性向上」
「組織活性化」という点が共通して言えることです。
これらはお金をかけずとも出来ることですが、会社(事務所)が多少の
費用を負担してあげるだけで、職員や転職希望者からすると
「前の会社では自主的に運営していた勉強会を、朝ごはんを食べながら、
それも会社がその費用を持ってくれるなんて素敵!」
「これまでは午後の仕事に備えて、外出中に喫茶店や電車で寝ていたけど
オフィスで堂々と寝られるのは素晴らしい!」
こんな風に彼ら彼女たちの眼には映るのです。
さらには職員が積極的に取り組むようにもなるため、事務所が負担する
費用以上の効果が得られる可能性があります。
教育・成長環境の充実
転職希望者にとって税理士事務所が「成長できる環境であるか」は
重要な判断材料の1つです。
よって採用サイトや採用ページには事務所の教育・成長環境を示して
おく必要があります。
転職希望者がどのような目で教育・成長環境を採用サイトから見抜くか
と言うと・・・
・顧問先の社長(意思決定権者)と直接やり取りできるか
・税理士試験に向けた勉強をする時間が確保できるか
この2点を見ています。
前者から詳しく述べていくと、5名前後の小規模な税理士事務所だと
顧問先の社長からの相談などは全て所長が受け持つというケースが
少なくありません。
そのため、入社して浅い税理士や職員は所長経由で任された業務を
こなすばかり・・・ということが多々あります。
もし転職希望者が前職でこのような経験をしている場合、転職先を
探している場合には、自ら顧問先の社長の相談に乗ることができる
環境を求めている場合があります。そしてその環境を重要視している
ことが多いのです。
よって皆さんの事務所が顧問先を担当者(税理士・職員)に任せている
場合はしっかりとホームページ上にその旨を記載した方が良いと言えます。
一方で所長からすれば、入社して間もない所員に任せることに不安が
あるかと思います。
そのために教育システムを構築・確立しておかなければなりません。
銀行融資の相談が顧問先の社長から来た場合にはどうするべきか、
事業承継についてはどうするのかなど、相談内容をケーススタディとして
学習できる環境を所内に作っておくのです。
税理士試験に向けた勉強時間が確保できることを採用サイトに明記
次に税理士試験に向けた勉強時間がとれそうかどうか、という点について
です。
こちらは単純で、まず「残業が少ない」≒「勉強時間が確保できそう」
という公式が転職希望者の頭では計算されます。
よって、残業内容や時間については採用ページ上であらかじめ書いておく
ことが入社後のミスマッチを防止します。
さらに、試験1ヶ月前には「試験対策休み」が最大〇日取れます!といった
ことを明記すると転職希望者にとっては魅力的でしょう。
今回は組織活性化のための福利厚生、そして教育・成長環境についての
人材採用サイトのポイントを述べてみました。
次回は施設面について触れてみます。
執筆者紹介
- 株式会社FIS DESIGNS 代表取締役
独立前は、「楽天ビジネス」にて税理士事務所を
中心に士業事務所を担当。
2013年に税理士特化型WEB制作会社FIS DESIGNS
の代表取締役に就任。
300事務所以上の税理士事務所のホームページ制作や、
WEBコンサルティングに従事。
2019年に、税理士向けセミナーポータルサイトの
「セミナーBOOK」の創立に参画。
税理士向けセミナー講演も多数行い、税理士事務所のWEB戦略推進に
日々邁進している。