
こんにちは、税理士専門WEB会社FIS DESIGNSの福田です。
今回は、2024年末にリリースされ話題となっている中国発のAI
「DeepSeek」について解説します。
「ChatGPT」や「Google Gemini」とは異なる特徴を持ち、
AI業界や関連銘柄の株価にも影響を与えているこのツール、一体どのようなものなのでしょうか?
「DeepSeek」が話題になっている3つの理由
「DeepSeek」が急速に注目を集めているのには、大きく3つの理由があります。
1. 開発コストがChatGPTの100分の1
「DeepSeek」は、ChatGPTと比べて開発コストが100分の1と言われています。
その理由は、「MoE(Mixture of Experts:専門家の集合)」という
特殊な手法を活用していること。
AIモデル全体を使うのではなく、
特定のタスクに最適化された「専門家(エキスパート)」だけを動かす仕組み。
これにより、計算リソースの削減とコストの大幅な低下が可能になっています。
さらに、米バイデン政権による対中輸出規制の影響で、
中国は最新のNvidia製GPUを使用できない状況ですが、
「DeepSeek」は型落ちのGPUを利用して開発されています。
それにも関わらず、高い精度を実現している点が、世界的な驚きを生んでいます。
2. 精度がChatGPTと大差ない
「DeepSeek」の精度は、「ChatGPT-4o」や「Google Gemini」と比較しても
遜色ないと言われています。
実際に、東京大学の入試問題(数学)を解かせたところ、
「ChatGPT」と「DeepSeek」はまったく同じ正解を出したとのこと。
つまり、低コストで開発されたにも関わらず、
「ChatGPT」とほぼ同等のAIを提供できていることが、この話題の大きな要因になっています。
3. 無料で利用できる
「DeepSeek」は完全無料で提供されており、有料プランが存在しません。
「ChatGPT」は、有料プラン(ChatGPT-4o)を導入することでより高性能な機能を提供していますが、「DeepSeek」はこの有料プランと同等レベルの性能を無料で提供しているのが
大きな衝撃となっています。
これにより、「ChatGPT」のような有料AIツールの収益モデルが脅かされる可能性があり、
AI関連銘柄の株価に影響を与えているのです。
「DeepSeek」の影響とAI業界の今後
「DeepSeek」の登場により、AI市場は大きな変化を迎えています。
- AI関連銘柄の株価に影響
「ChatGPT」を提供するOpenAIや、AI関連の技術をリードする企業の株価が下落。
その背景には、「DeepSeek」のような無料かつ高精度のAIが登場したことで、
既存の収益モデルが揺らぎ始めたことがあります。
- 日本でも類似AI開発の可能性
中国が型落ちGPUを利用してこの技術を実現できたということは、
日本でも同様の開発が可能になる可能性があります。
これにより、今後さらに開発コストが下がり、AI技術がより身近なものになることが期待されます。
- AI業界のさらなる進化
目先では株価の影響はあるものの、AI業界全体がさらに加速して進化する流れが生まれています。
低コストかつ高性能なAIが普及することで、多くのビジネスや業務が効率化される未来が見えてきました。
まとめ
「DeepSeek」が話題になっている理由は以下の3つです。
- 開発コストがChatGPTの100分の1
- 精度がChatGPTと大差ない
- 無料で利用できる
「DeepSeek」は、わずか2か月で開発されたとも言われており、
中国のAI技術への本気度がうかがえます。
今後のAI市場、特に日本の動向にも注目が集まりそうです。
今回のコラムの内容を、動画でも解説しています。
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